男女差別を訴えるチャンス
過日、東京都議会で女性議員がヤジられた事件。いろんな問題が含まれている。そんな中、女性蔑視だという意見があるが、そこまで大問題にすることはないと思う。低俗な単なる戯れ言である。所詮、東京都議会ではこの手のヤジは日常茶飯事だとされている。
それにしても、程度の低いハナシだ。女性の社会進出が熱っぽく語られているご時世に、深層心理を露呈させヤジった男性議員は、その釈明会見で「早く結婚して頂きたかったので・・・つい」っと、恥の上塗りをしてみせた。
ここまで間抜けな輩に、都政を任せていること自体、国民として忸怩たる思いでいっぱいである。さらに、憤りを感じるのは、トカゲの尻尾かスケープゴートかしらないが、他のヤジ男をかくまった上、幕引きにしたことだ。大人の振るまいと思われない。
ところで、女性議員は、なぜヤジられたときに、毅然とした態度でヤジった張本人を糾弾しなかったのだろう。揺るぎのない「男性社会」に一石を投じるチャンスだったのに残念なことだ。
後になって「名乗り」も出来ない腰抜け輩に、ただ嘲笑されているだけでは東京都議員にまでなった甲斐がない。女性で東京都議員といえば、女性の仕事として夢の夢で高嶺の花である。「男尊女卑」の考え方を引きずっているわが国の悪しき慣習を批判できるいい機会だったのに残念なことだ。
彼女は、日本女性のパワーを世界に、発信出来た好機を自らの手でつぶしてしまったようだ。連綿と続く「男性社会」の崩壊は、そんなことからでも地道に壊して行くしかないのに。